年表から時系列に見る「Tommy february6」の活動

Tommy february6

本日2月6日は、Tommy february6(川瀬智子さん)の誕生日。かつて一世風靡した音楽アーティストとして知られるTommy february6ですが、近年は当時を知らないZ世代の若者たちの間に「Y2Kカルチャー」の流れで”再発見”され、TikTok等SNSで人気を広げているようですね。

ネット上にはTommy february6に関する様々な論評がありますが、当サイトでは少し趣を変えて「年表」という時間軸の可視化からTommy february6(及びTommy heavenly6)の足跡を振り返ってみました。

 

 
Tommy february6

◆「年表」から見えてくるもの

当時を知るリアタイ世代として、振り返ってみるとTommy february6は、2000年代初頭にブームとなり、いつの間にか消えていました(=概ねブームはそうしたものです)。”感覚値”としての活動期間は「2〜3年くらい」の印象です

ところが正確には「Tommy february6」名義での活動(シングルなど新しい楽曲が出ていた)期間は、2001年7月〜2013年6月迄の実に12年間(!)。そして「Tommy heavenly6」名義での活動期間も2003年7月〜2014年1月迄の10年半(!)に及び、改めて振り返ってみると、思ったより長期間のプロジェクトだったことが分かります

そうした意味で今回は「時間軸」を年表として可視化することで見えてくるTommy february6とTommy heavenly6の変遷について記載してみました ↓

 

Tommy february6 活動年表(2001年〜2003年)

◆2001年〜2003年:Tommy february6誕生

2001年、突如として「Tommy february6」が誕生します。それまでロックバンド「the brilliant green(ザ・ブリリアント・グリーン:1995年結成)」のボーカルとして活動していた川瀬智子がソロ活動プロジェクトとして立ち上げたものでした。

1stシングル「EVERYDAY AT THE BUS STOP」が衝撃的だったのは、時代遅れでダサいと認識されていた一昔前のシンセポップやユーロビートをセンスよく取り入れた程よいノスタルジック感と、どこか夢みがちで内向的な少女を模したメガネ姿の優等生アメリカンスクールガール風貌を重ねたファンション性にありました。

また(今でこそ違和感は無いものの)当時、ポップな赤い縁のセルフレームメガネは未だそれほどには一般的では無かった頃。ちょうど一部ファッション感度が高めな若い女子が掛けていた程度で、同じセルフレームでもどちらかと言えば「Oliver Peoples(オリバーピープルズ)」等の落ち着いた黒縁メガネが知的な大人の女性を印象づけるアイテムとして人気でした。その為、Tommy february6のポップなセルフレームメガネは強烈な印象があったのを覚えています。

とまれ、Tommy february6は2001〜2003年の3年間にシングル5枚とアルバム1枚をリリースし、そのいずれも大ヒットした他、テレビや雑誌等での露出も最高潮でした。多くの人が頭に思い描くTommy february6は、この3年間の活動と考えます。


そして更に別名義である「Tommy heavenly6」としての活動も2003年7月にスタートします。Tommy february6のポップでガリーなイメージとは真逆の、ダークでゴシックなオルタナティブ・ロックを展開するTommy heavenly6はファンの間でも戸惑いをもって受け止められましたが、これまでリーチしていなかった新たなファン層も増えていった時期でもありました。

 

※補足情報: 「the brilliant green」とは

川瀬智子→Tommy february6→Tommy heavenly6の変遷

the brilliant green」はバンドブーム(1980年代後半〜1990年代半ば)の当時によく見られた「ギタリストの兄ちゃん達が、歌の上手い若い娘をボーカルに据える」タイプのユニット。1995年結成、1997年にメジャーデビュー。

テレビ番組が影響力を持っていた時代、頻繁に音楽番組に登場していたのはヒット曲に恵まれた以上に、ボーカル川瀬智子のルックスが「テレビ映え」したのも理由と考えます。

 

Tommy february6 活動年表(2004年〜2006年)

◆2004年〜2006年:Tommy february6から、heavenly6へのトラジション

Tommy february6としての活動から、Tommy heavenly6に主軸が移っていったのが、この3年間にあたります。

Tommy february6の7枚目シングル『L・O・V・E・L・Y ~夢見るLOVELY BOY~』(エル・オー・ブイ・イー・エル・ワイ ゆめみるラブリーボーイ)は、『劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション 裂空の訪問者 デオキシス』の主題歌として採用されたことから、CDジャケットやPVにピカチュウが登場。一般層までTommy february6が波及していたことが分かります。

印象として、初期から続くTommy february6の路線は2004年で一旦の完成(完了)を見ます。(※音楽的にもシンセポップやユーロビートを基調とした路線はこの辺り迄で、次の3rdアルバム『TOMMY CANDY SHOP ♡ SUGAR ♡ ME』は実に9年後(!)の2013年までリリースされない上、曲調もエレクトロニック・ダンス・ミュージック寄りに移行していくのでした)

  

対して活発化していくのがダークサイド「Tommy heavenly6」。2005年以降は完全にTommy heavenly6に軸足が移っていきます(※私、Tommy heavenly6はあまり追っていないので割愛)。

  

Tommy february6 活動年表(2007年〜2009年)

◆2007年〜2009年:Tommy heavenly6 に完全移行

2006年以降は完全にTommy heavenly6一色に。一応、Tommy february6名義でベストアルバム『Strawberry Cream Soda Pop “Daydream”』がリリースされますが、新曲はありません。

Tommy heavenly6で人気の曲といえば『Hey my friend』(2004年)、『Pray』(2006年)、『PAPERMOON』(2008年)ですが(※Apple Music再生数トップソングより)、2007〜2009年の期間と重なるのは『PAPERMOON』(2008年)の1曲のみ。Tommy heavenly6に軸足を移すものの、オルタナティブ・ロックというニッチな音楽性からか大衆受けはしなかったのかも知れません。

そして同期間にTommy february6の活動が停止していた為(私を含め)多くの人は、Tommy february6名義でのソロプロジェクトは終了したと思われた(もしくは忘れ去られた)時期でもありました。

  

Tommy february6 活動年表(2010年〜2012年)

◆2010年〜2012年:Tommy february6と heavenly6 が融合

2010〜2012年の3年間、目立った動きも無く。2012年にソロプロジェクト10周年を記念し、Tommy february6とTommy heavenly6の両名義でアルバム及びミニベストアルバムをリリースしますが、大きな話題にはなりませんでした。

考えてみれば、10年のうちTommy february6としての実質的な活動は最初の4年でしたので、ブランクが空きすぎた感が否めません(その間、Tommy heavenly6での活動があったにせよ、february6とheavenly6では路線が大きく違い過ぎた為、両方をカバーするファン層は限られていた印象です)。

尚、この期間で注目すべき点は2012年10月リリースの『HALLOWEEN ADDICTION』。いまでこそハロウィンが国民行事として定着していますが、こうした動き(例えばハロウィンになると若者が渋谷に集まり、警備員が配置されるようになった)は2015年以降とされており、2012年時点でハロウィンに着目したのは、早い時期だったと考えます。

(実際、私自身、2012年にアルバムがリリースされた際にハロウィンがテーマと聞いて「ああ、海外行事のアレね」との印象を持ったものです)

  

Tommy february6 活動年表(2013年〜2015年)

◆2013年〜2015年:Tommy february6、 heavenly6 とも実質”終息”

2013年、Tommy february6によって9枚目となるシングル『BE MY VALENTINE』がリリースされます。前作8枚目シングル『♥Lonely in Gorgeous♥』が2005年なので、実に8年ぶり(!)。・・・ただ、これも残念なことにあまり話題になりませんでした。

理由は幾つかあるでしょうが、ブランクが空きすぎたことも勿論ですが、当時はファッションの文脈からカワイイ路線できゃりーぱみゅぱみゅ(当時20歳)が台頭してきた時期で、『ファッションモンスター』(2012年)、『にんじゃりばんばん』(2013年)、『インベーダーインベーダー』(2013年)とヒットを続けていました。

Tommy february6と路線は違うものの、ファッション文化のコンテキストからの影響力が強く時代の関心が、きゃりーぱみゅぱみゅ中心とした軸になっていたのは少なからず影響があったと考えます。

Tommy february6は2013年の3枚目アルバム『TOMMY CANDY SHOP ♡ SUGAR ♡ ME』を最後に、Tommy heavenly6も4枚目となるアルバム『TOMMY ♡ ICE CREAM HEAVEN ♡ FOREVER』で、ともに実質的な「終息」となります(ここで気づくのは、Tommy february6で始まったソロプロジェクト、最終的にTommy heavenly6の方がアルバム数もシングル数も多いという点)。

以降、当記事執筆時点(2025年2月6日)に至るまで、新作の発表はありません。

 

◆TikTokで「Tommy february6」が再評価

冒頭で触れたように、Tommy february6がZ世代の若者たちの間でシティポップに続く「Y2Kカルチャー」の文脈で”再発見”され、TikTok等SNSで人気を広げているようです。これを好機と見たのか、2024年9月にTikTok公式アカウントが開設される等、久しぶりにTommy february6/Tommy heavenly6周辺に動きが見られるようになりました。

  

◆2025年2月6日、Tommy february6生誕祭(?)

All Music Videos of Tommy february6 and Tommy heavenly6

前述のSNSによるTommy february6再評価に伴い、本日2025年2月6日(木)昼12:00〜翌2月7日(金)昼12:00までの24時間、YouTubeの公式アカウントにて「Tommy february6」及び「Tommy heavenly6」の懐かしいプロモーション映像をノンストップで再生しつづけるイベント「All Music Videos of Tommy february6 and Tommy heavenly6」が開催されます(上記画像はYouTube公式アカウントより)。

2月7日までの配信となったのは(TikTokで人気が出始めている)米国時間での2月6日を意識したものと考えますが、配信時のコメント欄を見る限り、その殆どは日本人(それも私のように当時を知る40〜50代の中年)がメインのようでした。

  

◆Tommy february6、アナログ盤で復活!

アナログレコード盤「Tommy february6」

上記YouTubeでの配信イベントに合わせ2025年2月6日に発表されたのが、Tommy february6の1stアルバム「Tommy february6」及び、Tommy heavenly6の1stアルバム「Tommy heavenly6」の2枚がアナログ盤(レコード盤)での再販が決定したこと。発売日2025年7月16日に向け、早速予約開始しています。

 

これを機に、Tommy february6も活動再会して欲しいと思いつつ、そういえば川瀬智子さんっていま幾つなんだっけ?と思ったら、50歳になられたのですね(因みに私はTommy february6と同い年。それ故に思い入れも強いのです)。

・・・時が経つのは、早いものですね、本当に。〔了〕

   

※補足情報: Z世代の熱中する「Y2Kブーム」とは

Z世代の間で、2000年前後の「Y2Kスタイル」&「Y2Kカルチャー」が再び脚光を浴びています。メタリックなトップス、バギージーンズ、極小バッグなどが再流行し、SNSでの発信が加速。単なる懐古ではなく、デジタルとポップな要素が融合した新たな表現として人気を得ているようです。

また、当時のインターネット文化やガジェットを楽しむ動きも見られます。20年前の空気感を、現代の視点でアレンジするZ世代の感性が、Y2Kを新たなトレンドとして根付かせつつあるのは(当時をリアルタイムで生きて来た世代の私にとっては)興味深い現象です。

   

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