「グラスホッパーJr.」はタイプ1シャーシで欲しかった(←老害)

2024年12月、タミヤよりミニ四駆の新製品「レーサーミニ四駆シリーズ No.105 グラスホッパーJr.」が発売となりましたので、さっそく購入してみました。
・・・よもや五十歳を迎えようという歳にミニ四駆を買うことになろうとは。

こちらがミニ四駆「グラスホッパーJr.」のパッケージ。

デザインが往年のラジコン・元祖「グラスホッパー」(1984年)の雰囲気を再現していて、嬉しい限りです。
◆オンロード仕様のシャーシに違和感アリ
冒頭の画像が組み立て後の状態・・・ここで1つ違和感が。元となるラジコン「グラスホッパー」はオフロード車なのに対し、ミニ四駆「グラスホッパーJr.」は車高が低くスリックタイヤを装着したオンロード車なのです。
私はミニ四駆事情に疎く、以前ミニ四駆を購入したのは「ホットショットJr.」(1986年)発売時以来なので、実に38年ぶり。当時の記憶ではタイヤがギザギザしたオフロード車だったのです。↓正に下記画像のように。

調べてみると、このオフロードタイヤを装着したミニ四駆シャシーは「タイプ1シャーシ」と呼ばれる初期ミニ四駆のもので、現在は発売されていないとのこと(実際、ネット上でタイプ1シャーシはプレミア価格で売られています)。
これに対し、今回発売された「グラスホッパーJr.」は現行シャーシである「VZシャーシ」が使われていました↓
このVZシャーシはオンロードコースに特化したタイプなので当然ながら低い車高とオンロードタイヤが装着されている訳ですが「グラスホッパーJr.」の成り立ちを考慮すると、前述のタイプ1シャーシが似合うと感じてしまう訳です。
◆タイヤだけでもオフロード仕様にしたいものの
とまれ、タイプ1シャシーが入手できないのであれば、せめてオフロードタイヤだけでも入手できないか調べるも、単体販売はされていない様子。現在、このオフロードタイヤを入手するにはミニ四駆PROシリーズ「ホットショットJr.」等に付属のタイヤを用いるしか方法が無いようです。
(※ややこしい事に、この「ホットショットJr.」は1986年リリース時は前述の「タイプ1シャーシ」ですが、現在入手可能な2008年リリースの再販モデルは「MSシャーシ」と別物。タイヤだけ1986年当時と同じオフロードタイヤが付属しているようです)
オフロードタイヤを入手する為に1台「ホットショットJr.」を無駄にするのも気が引け、実行には至っていません。それに原型となったラジコン「グラスホッパー」の形状を考えると、三角に左右に張り出したバンパーが特徴だったので、やはりその辺りも再現された「タイプ1シャーシ」で「グラスホッパーJr.」をリリースして欲しかったな、と思う訳です。
尚、「グラスホッパーJr.」の「VZシャーシ」と「タイプ1シャーシ」のホイールベースは共に80mmであるものの、無加工での装着は不可とのことなのでプレミア価格のタイプ1シャーシを購入する動機としてもイマイチだったりします。
◆「タイプ1シャーシで出して欲しかった」は老害認定
斯様に「グラスホッパーJr.」は「VZシャーシではなく、タイプ1シャーシで出して欲しかった」と思う私。きっとネット上を検索したら同様の意見で溢れているのだろう、と期待して検索するも、誰 も そ ん な こ と は 言 っ て い な い 。
・・・私のように「タイプ1シャーシの方が雰囲気は近いよね」的な発言はあれど、私のような希望を持っている人はいないことが判明。
我ながら「タイプ1シャーシを希望」なんて迂闊に口を滑らせようものなら、老害認定されそうですね。・・・すみません、身の程をわきまえ慎みます。〔了〕
※補足情報:「ミニ四駆」は何故ブームになったのか? 1982年にタミヤがリリースした「ミニ四駆」は、1/32スケールの乾電池とモーターで動く電動プラモデルカー。当時の子供たちの間で瞬く間に広まり、社会現象と評されるほどの隆盛を誇ります。 発売当初は荒地を走るオフロードカーが中心で、ラインナップも「フォード・レンジャー4x4」(=初代ミニ四駆)や「トヨタ・ハイラックス」等、実車をモデル化した構成であったが、1985年にタミヤのラジコンカー「ワイルド・ウイリス」をミニ四駆サイズにスケールダウンした「ワイルド・ウイリスJr.」(←現在はプレミア価格!)がリリースされ大きく風向きが変わります。 当時、小学生の間で圧倒的支持を得ていた雑誌「月刊コロコロコミック」とのタイアップでラジコンブームに火が付いたものの、高額なラジコンカーは手が出ない子供が大半な状況でした。そこに前述のようにラジコンカーを模したミニ四駆「ワイルド・ウイリスJr.」がリリースされた事で、憧れのラジコンカー(に模したもの)を手にできる!と人気を博します。 実際、ミニ四駆のラインナップも「レーサーミニ四駆」名を冠し、ラジコンカーを模したラインナップに切り替わります。初代レーサーミニ四駆「ホットショットJr.」(1986年)は当時、私も持っていました。 翌年、ミニ四駆のラインナップは「ワイルドミニ四駆」名を冠したラインナップに変わり、巨大な中空タイヤを装着した「モンスタービートルJr.」(1987年)がリリースされます。また、月刊コロコロコミック誌上においても、この頃からラジコンではなくミニ四駆が前面に推されるようになり、ミニ四駆を題材としたマンガ「ダッシュ!四駆郎」なるものもスタートしていたようです(私は読んでいないので詳細不明)。 また、このマンガ連載に連動するように、ミニ四駆は友達と競い合う「レース」の色合いが強くなり、1988年に「第1回・ミニ四駆日本選手権(ジャパンカップ)」が開催されます。これを機に、従来はオフロード仕様(高い車高、凹凸のある悪路用タイヤ)が中心だったミニ四駆が、規定コースを周回して速さを競うオンロード仕様(低い車高、スリックタイヤ)に舵を切る大きな路線転換が為され、以降、現在に至ります。 私は少しだけ世代がズレるのでミニ四駆にはハマらなかったのですが、世間では1990年代は空前のミニ四駆ブームとなりました。ミニ四駆の魅力は単なるプラモデルとは異なり、自らが組み立て、改造し、実際に走行させることができる点にあるのに加え、公式レースの開催が追い風となり、より速く、より安定した走行性能を追求するコンテクストが醸成されます。 1980年代後半から1990年代前半にかけて、ミニ四駆は爆発的なブームを迎えます。全国各地でレースが開催され、改造パーツも次々と登場。コロコロコミックの連載 漫画も前述の「ダッシュ!四駆郎」(連載時期1987〜1992年)に引き続き、「爆走兄弟レッツ&ゴー!! 」(連載時期1994〜1999年)の連載もスタート。とりわけ「爆走兄弟レッツ&ゴー!! 」はアニメ化(1996〜1998年)もされる等、子供たちの憧憬の的となります。 しかし、ブームの最盛期を迎えた1990年代後半には、市場の飽和とともに次第に勢いを失い、かつての熱狂は次第に沈静化します。しかしながら、ミニ四駆自体は完全に消滅することなく、コアな愛好家層によって支えられ「文化」のように発展を続けます。 2000年代には、過去のブームを知る世代の大人たちが再び関心を寄せ、復刻版の発売や新シリーズの展開が進められます。 2010年代以降、タミヤ自身も時代の潮流に適応しつつ、デザインや性能を向上させたモデルをリリースし、大人も楽しめる(大人になった当時の子供が、自分の息子や娘と一緒に楽しめる)世代を超えたホビーとしての地位確立に至ります。 |
コメント
コメントを投稿